日本のイチゴ品種が韓国に流出で損失220億…それって本当に問題なの?

こんにちは!肥後庵の黒坂です。
今朝のYahooニュースのトップ記事に衝撃的なタイトルが載っていました。それは今回記事に取り上げた「日本のイチゴ品種が韓国に流出した」というものです。

私の脳の7割くらいはフルーツビジネスで占められている「フルーツ男」なので、このニュースの記事タイトルを見た時は

「をををを!!マジかよ!!」

と衝撃を受けました。日本のイチゴ品種で韓国が稼いでいる、と聞いて感情的にはムカムカしてしまいますが、記事にある「5年間で220億円損失」という点については疑問を感じます。今回は記事の引用をしながらお話をしていきますね!

引用元:イチゴ品種 韓国に流出 損失5年で220億円 農水省試算

 

ガラパゴス化ってそんなに悪いことですか?

 

まず、はじめに知って頂きたいことは、

「日本のフルーツは間違いなく品質は世界最高峰」

ということです。日本の高品質フルーツはガラパゴス化になっていて、言うなれば「ガラパゴスフルーツ」です。果物に限らず、世界で他の国にはない日本のビジネスや文化は「ガラパゴス」と揶揄されていますよね?今は皆スマホでiPhoneかアンドロイドですが、10年くらい前まで携帯はスマホじゃなくてガラケーが主流で色んなメーカーの携帯がありました。

「日本の商品はグローバルスタンダードじゃない」
「日本独自では世界においていかれる」

などと言われてきましたが、私は別にガラパゴス化は悪いと全然思わないんですよね。日本の文化に根ざしたものを、日本人だけで楽しんでいて何が悪いんでしょうか?

今から10数年ほど前に私の弟がアメリカ旅行へ行きました。その時に流行っていたガラケーは「メガピクセルカメラ搭載!」がキャッチコピーになっていたシャープの携帯です。レストラン料理を撮影しているとお店のウェイターがその携帯で撮影した写真を見て、その高画質さにびっくり仰天!弟が持っていた携帯を厨房に持っていき、料理をしていたスタッフとともに大騒ぎをしていたそうです(笑)。「Japanese technology is very high!!」とコメントをもらい、記念撮影を撮ってきていました。その話を聞いて私は日本人として鼻が高かったと感じたことを覚えています。

日本のフルーツも同じです。海外から見ると完全にガラパゴスじゃないですか。

「値段が高すぎる!」
「味がおいしすぎるよ!」
「外観も美しい…」
「安心安全だからいいね!」

などと色んな意見がありますが、概ねポジティブに受け入れられています。過去に書いた記事で紹介をさせてもらいましたが、香港では日本のイチゴが一粒2,400円で飛ぶように売れています。

参考:果物でクールジャパン!スゲー!!香港で日本のいちごが一粒2,400円で売れてます!

肥後庵でも訪日外国人向けに贈答用のイチゴの大型注文があり、外国人においしいと喜ばれた経験があるので「日本独自に進化したおいしいフルーツは素晴らしい」と思っています。私はこれから本気で海外展開に挑戦したいと準備をしているところです。

参考:台湾観光客にいちごが喜ばれました!日本の果物が外国人にオオウケした話

 

韓国に日本のイチゴ品種が流出して被害が出たとされていますが…

そんな日本のイチゴ品種が「韓国に流出した!」というのが今回のニュースです。まあ心情としては「腹立たしさを感じる」というのが正直な感想ですね!農家の人たちが一生懸命、試行錯誤しておいしいイチゴ品種を開発して多くの人に喜ばれたものがそのまま韓国に流れて、韓国はそれを他国に販売して稼いでいるというのですから。

肥後庵でもイチゴは超人気商品で、お歳暮ではガンガン売れて多くのお客さまに喜ばれています。熊本県産のイチゴには「ひのしずく」など他県にはない独自品種が多くあり、お客さまの中には

「あまおうより好きな味」
「とちおとめが買えなかったからここに来た」

という方もいるので嬉しく思っています。

さて、そんな皆が大好きなイチゴですが、今回の記事によると「韓国のイチゴ≒日本のイチゴ」となっているようです。

農水省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種を基に開発した品種。栃木県の「とちおとめ」や農家が開発した「レッドパール」「章姫」などが無断持ち出しなどで韓国に流出し、韓国はそれらを交配させて「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」「錦香(クムヒャン)」という品種を開発した。アジア各国への輸出も盛んで、日本を上回る。

ということで、日本の品種を使ってブランドいちごを作り、他国に輸出しているようです。9割が元々日本の品種ということであれば、実質日本のイチゴを使って他国に輸出しているようなものなので、感情的には「人が一生懸命作ったものをパクって稼いでいる」という感覚がしてしまいます。

農林水産省が被害総額を算定した結果、次のような金額が出てきました。

日本が輸出できるはずのものが韓国産に置き換わったとして損失額を試算した。韓国の輸出額から推計して、日本の損失額は5年間で最大220億円だったとした。昨年1年間の日本産イチゴの輸出額は11億円のため、5年間に換算するとこの約4倍に当たる。

あなたもこれを見てますます腹立たしさが出てきましたか?まあそう思うのはあなたが日本のフルーツに誇りを持っている何よりの証拠で、それ自体は至極当たり前のことだと思います。

 

「220億円もの被害」って本当?

で、ですね。ここからが私の言いたかったことなんですが、私はこう思うんですよ。別にイチゴ品種が韓国に流出しなくても、韓国が稼いでいる分の輸出売上はあげられなかったのではないか?と。

というのも日本は果物輸出額は世界ランキングはかなり下の方なんですよね。この表を見てください。


画像引用元:株式会社ウェッジ「高品質の日本の農産物が海外で売れない理由」より

アメリカは圧倒的ですが、オランダは日本の九州くらいの面積しかないのに、2位につけています。日本は21位とまったく振るいません。最近でこそ少しずつ輸出額は増えてきていますが、それでもフルーツ輸出額では他国に大きく差をつけられています。今回のイチゴが韓国に流出していなくても、この5年で220億円のイチゴが輸出出来たとは思えません。むしろ、こうした事件を契機にフルーツ輸出に本気で取り組まなければ!という意識付けになったと、プラスに考えるのはどうでしょうか?少なくとも私はそう思いましたね。韓国が日本由来の品種で他国で稼げているなら、日本で同じことを本気でやれば受け入れられることを示しているわけですから、私は逆にこの記事を読んで日本のフルーツの品質が海外に受け入れられると自信を持ちましたよ!

 

ジャパンブランド全押しでやればパクられても無問題

日本のフルーツ輸出額はまだまだ規模が小さいですが、これから本気でブランディングしていけば大化けすると思っています。これまで成果が出ていなかったのは日本国内で十分大きなマーケットがあり、海外輸出に本気を出している業者が少ないからでしょう。

先ほどいったように香港では1粒2,400円でイチゴがガンガン売れているんですよ?現地の香港人は

「安心安全でおいしいから日本のフルーツを買う」

といっています。韓国が横から売ろうとしても、日本のイチゴを指名買いしたい彼らは韓国イチゴは買わないと思うんですよ。私はパクられても問題ないくらいに、世界の中でジャパンブランドを押し出せばいいと思っています。

「フルーツは日本製品じゃないと買わない!」

と言わせるくらいにマーケティングできないですかね??今、私がこうして主張していることが正しいかどうか、それは自分自身がこれから海外輸出に挑戦をして確認してみたいと思います!


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