こんにちは!肥後庵の黒坂です。
毎日新聞の5月29日の記事にマスカット・オブ・アレキサンドリアの初競りがあり、東京都大田区の大田市場でスタートしたと掲載されました。
その記事を見て驚愕するべきはその価格!なんと1箱(つまり1房)10万円の値がついたということです!ぶどうに10万円とはとてつもない金額ですよね!あなたも
「こんな金額で落札して利益出るの!?」
と思われたのではないですか?自分のお店でもマスカットぶどうを扱っている私が、今回の高額落札について解説をしたいと思います!
エジプト生まれのマスカット・オブ・アレキサンドリア
マスカット・オブ・アレキサンドリアは紀元前のエジプトで栽培されていたぶどうで、あのクレオパトラも食べていたというとても歴史の古いぶどうです。日本には130年前の岡山県で栽培が始まり、全国シェアは岡山県で90%以上です。
糖度はとても高く、出荷出来る基準は16度ですが、今年の初競りでは22.5度という超ど級の極甘口ぶどうも飛び出したということです。しかし22.5度とは凄まじい…。
ネット通販などでの相場ですがいいものだと1房5,000円~7,000円程度。安いものだと3,500円から見つけられますが、1万円を超えるものもありますね。値段の差は顆粒の大きさや美しさや形、色合い、香り、糖度など多面的に判断されて、等級がつけられます!
一般流通している良品は秀品が多く、最上級の特秀品はやはり1万円を超えることがほとんどです。
<マスカット・オブ・アレキサンドリアの等級>
昨年2016年の3倍以上の値段
今回10万円という破格の値で競り落とされたマスカットですが、昨年2016年度の最高落札価格は3万円とのことで、実に3.3倍!今回の落札価格が異常に高いだけで普段からそんな値段で買われているわけではありません。
今年の10万円というのは過去最高記録を更新していることからも、異例の初競りだったわけです。
果物の高額せりは「広告宣伝」
どんなに高くても2万円を超えることはほとんどないマスカット・オブ・アレキサンドリア。今回の10万円という価格がいかに特別なものだったかお分かり頂けたでしょうか?
10万円の値がついたマスカットは確かにすごい品質が良かったのだと思います。でもその金額がついたことの本質は実は別にあります。それは「広告宣伝」としてのものです。
あなたは東京の築地市場へ行って食事をしたことがありますか?私は一時期ハマって友人と寿司を食べに行っていたことがあります。そんな築地市場で2013年にマグロで1億5540万円というとんでもない値がついたことでめちゃめちゃ話題になりました。競り落としたすしざんまい社長は「PRは考えていない」と回答していましたがこれによって連日テレビや新聞、ネットニュースでめちゃめちゃ話題になり、その宣伝効果は2億とも3億とも試算する人もいます。その他、夕張メロンを2玉300万で落札したことで話題になったこともありましたね。
それを考えると今回のマスカットが10万円で落札されたのも、広告宣伝効果は十分にあったと思います。実際、私はこうして記事に取り上げたのも、多数のメディアに掲載されて目についたからに他なりません。詳しくは調べていませんが、おそらくネットのニュース記事だけに留まらず、地元の新聞や雑誌、テレビなどでも取り上げられるんじゃないですか??
そうなるとたった10万円でしかも番組制作費や手間も一切かからないで宣伝してもらえるので、とても安い買い物になったのだと思います。
あいにく熊本県産のフルーツに限定している肥後庵では、シャインマスカットは扱っていますが、マスカット・オブ・アレキサンドリアは置いていません。これを機にプライベートでマスカット・オブ・アレキサンドリアを食べてみようかなと思います!
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