こんにちは!肥後庵の黒坂です。
Yahoo知恵袋に次のような質問が投稿されていました。
離乳食(果物)について。
生後8ヶ月の娘がいます。
離乳食は2回食を与えています。生後7ヶ月過ぎてから果物を与え始めました。
与えたものはリンゴ、バナナ、柑橘類、イチゴです。
近々、桃を与えようかと考えているのですが、缶詰の桃を与えるべきか悩んでいます。正直、缶詰に入っている桃って砂糖漬けのような感じで素材の味を増しているような感じで抵抗があり、かと言って、我が家で果物を毎日食べている訳でもないので、桃を複数買っても・・・とも思っています。
桃だけではなく、果物は缶詰に頼らないほうが良いのでしょうか?
もしくは、水洗いか何かで砂糖を落とした方が良いでしょうか?
リンゴ、バナナ、柑橘類、イチゴ以外で何か果物を与えた事がありますか?
…さて、あなたならこの質問に対してなんと答えるでしょうか?
「缶詰でOK」ですか?それとも「缶詰なんて絶対NG!」ですか?読んでみて思ったのですが、おそらくこの質問者さんは「離乳食に桃を食べさせるには割高」と考えて缶詰フルーツにしようかと迷っているのではないかと思います。
赤ちゃんの離乳食の時期は味覚を育てる
あなたもよくご存知の通り、人間の味覚には5つあります(五味といいます)。
「甘味」
「酸味」
「塩味」
「苦味」
「うま味」
甘味と塩味とうま味は本能的にも危険な味ではなく、ほとんどの人にすんなり受け入れられます。甘いおやつや昆布だしのうどんを受け入れられない人が、少数派であるということからも分かるかと思います。
しかし、酸味は腐敗、苦味は毒であるとシグナルを出すようにインプットされているため、人間は本能的にこれらの味を避けるようになっています。まあそうですよね。生まれつき酸味も苦味もガンガンいけるなら気がつかないうちに腐ったものもバクバク食べてしまう可能性がありますからね!本能的にはNGでも、食事を通じてこれらの味覚を経験していくことで克服できるようになっています。普通の食事を取っていれば成長の過程で、苦いコーヒーやレモンの酸味を「おいしい!」と感じられるようになります。赤ちゃんへの離乳食はそんな真っ白のキャンパスに味を覚えさせていく、超重要な段階なわけです。
それからこれはあまり知られていないことですが、人の味覚は最初は真っ白で食事を通じてどんどんデータベースに味を書き込んでいきます。この味覚のデータベースは12歳までで完成するといわれています。
また、味を感じる味蕾(みらい)の数が赤ちゃんは成人よりも多いということが分かっています。つまり赤ちゃんは大人よりも「味に敏感」ということです。大人には分からない味も赤ちゃんには敏感に感じられるわけです。大人にとっては「味が薄いな…」と思っていても赤ちゃんには十分に感じられるでしょう。
このように子供の頃の食育は、その後の食生活を決めかねない超重要な段階なんですよ!
味蕾(みらい)を砂糖漬けにするな!
そんな赤ちゃんの味覚を育てる上で強烈な味を刷り込むことは味覚形成のじゃまになってしまいます。特に甘味や塩味は赤ちゃんもおいしいと感じるのでパクパク食べますが、あまり甘味が強い食事が続くと簡単に味覚が麻痺してしまい、子供になる頃には味覚障害になってしまいかねません!
赤ちゃんの離乳食の基本は素材の味を覚えさせることです!味蕾を砂糖漬けにして麻痺させては絶対にいけません!うちも現在進行系で毎日離乳食で生フルーツを与えていますが、もちろん砂糖は1粒も入れていません。
缶詰フルーツは食育になりません!
缶詰フルーツが食育にならない、これは缶詰フルーツを作る工程を見てみれば「あ、たしかにそうかも」と思ってもらえると思います。缶詰フルーツを作る工程は次のようになっています。
1.果物をきれいに洗浄する。
2.食べやすいサイズにカットする。
3.シロップを注入して加熱処理。
4.封をして出荷。
という流れです。缶詰フルーツは生フルーツを食べる場合に比べて2点問題があります。それは缶詰フルーツを作る工程の中で加熱処理をしていること、それからシロップ漬けになっていることです。
加熱処理をしている理由はもちろん殺菌!これをしなければとうてい長期保存なんて出来ませんし、買ってきた缶詰フルーツをパカっと開けて腐敗臭がする…ということがないのは加熱処理をしているおかげです。安全面から絶対に避けては通れない道とはいえ、加熱することで確実にビタミンCと酵素が失われてしまいますね(熱を加えても変わらない食物繊維などはそのまま取り入れることはできますが…)。
それからフルーツがシロップ漬けになっているので、砂糖たっぷり&高カロリーのお菓子に変化しています!これは先ほどいった通り、赤ちゃんの味覚形成の阻害にしかならないので、私は絶対にNGだと思いますね!
食べさせるなら絶対に生フルーツオンリー!
結論的にはやっぱり生フルーツ、これ一択です。確かに生フルーツは缶詰と比べると値段が張るように感じますし、万が一赤ちゃんの口に合わなければムダになってしまいます。
ですですね!何のために離乳食を食べさせているのかを今一度考えてみましょう!その子の一生を左右しかねない味覚を育てているわけですよね?三つ子の魂百までといいますが、味覚は12歳まででデータベースが完成してしまうので、初期の段階でしっかりと果物本来の味を覚えさせることがめちゃめちゃ重要です!缶詰の桃を食べさせ続けると「これが桃の味なんだ!」と誤った理解をしてしまい、本物の桃を食べた時に「味が変だ!」いいかねません。
人は幼少期に食べた食事は一生忘れることはありません。「おふくろの味が一番だ」なんて言葉がありますが、あれは子供の頃に食べて育った味のことをいっているわけです。そんな懐かしい子供時代の食べ物が缶詰フルーツではやっぱり間違っていると思うんですよね。参考になれば幸いです。
五味で紹介されている「辛味」は「苦味」の誤記だと思います。
ろばさま
ご丁寧にありがとうございます。おっしゃる通り誤記でしたので修正しました。ご指摘感謝申し上げます!
離乳食のフルーツは、消化やアレルギー抑制のために加熱することが比較的推奨されているかと思うのですが。
ぱりさま
コメントありがとうございます。コメントを見落としてすっかり遅くなり申し訳ございませんでした。
離乳食フルーツは加熱を推奨する声があるのも事実ですが、缶詰フルーツはシロップ漬けのものがほとんどですので、そこを懸念しております。
決めつけはいかがなものでしょうか。ちょっと興奮し過ぎでは、と感じられます。確かに砂糖は沢山使われていますが、缶詰を利用しなければならない方も沢山おられます。そういった方々の心にダメージを与える文章になっていませんか?今一度読み返してみて下さい。赤ちゃん第一、は勿論ですが、食育を行うお母さんお父さんの精神的な部分ももう少し考えた方が良いと思いました。全ての家庭が、恵まれた環境で季節のフルーツを手に入れられるわけではありません。
るるさま
コメントありがとうございます。
この記事はずいぶん前に書いたものですので、
決めつけたような書き方になっている感が否めない、
というのは確かにそうかもしれません。
次回以降は、そのへんも配慮して書いていこうと思っています。
ご指摘ありがとうございました。