こんにちは!肥後庵の黒坂です。
私は昔会社員をやっていた頃、社内イベントの企画をやっていたことがあります。参加人数は10人程度~500人規模まで幅広く携わってきました。今回は1年以上の長期間に渡り、何億円も予算をかけた大規模プロジェクトが成功裏に終わった記念パーティーをした時のお話です。クルージングパーティーで大きな船を貸し切ってイベントを行いましたね!
私はイベント業者と打ち合わせを行い、イベントの進行や司会、景品などを企画しました。その中にはうまくいったもの、失敗してしまったものなど色んな体験をしました。今回はあなたが喜ばれる社内イベントを成功させるために、過去に私がやらかした失敗体験を参考にして頂ければと思います(笑)。
会場はクルージングパーティー!
会社でイベントやパーティーを企画する時は「予算」を軸に考えなければいけません。参加人数に対しての予算がどのくらいなのか?これによって、企画できるパーティー会場や内容が変わってきます。ちなみに私が過去にクルージングパーティーを企画した時には「参加人数は170人、予算は200万円以内、非日常空間を楽しめるもの」という条件でした。早速その条件でネットで色々と検索してみました。
エキゾチックなレンタルパーティールームは「非日常感」があって楽しめそうなのですが、あいにく参加人数の170名が入りきれませんでした。また、ナイトプール付きのおしゃれな屋外で楽しむ会場もとても魅力的だったのですが、雨が降ったら台無しになってしまうのでパスしました。そして今回行き着いた先がクルージングパーティーです。
「クルージングパーティーなら参加人数170人が収容できて、非日常空間を堪能できるし、予算も200万円以内に収まりそうだ」
ということで、早速業者の担当者にオフィスに来てもらい、打ち合わせをして内容を詰めていくことにしました。ビュッフェのグレードをそこそこに抑えることで、予算の200万円よりかなり安い金額になることが分かりました。
「お!予算内でおさまりそうだし、これはうまくいきそうだ!」
そのように思い、内心ガッツポーズです。
「オプションサービスの詰め込み=おもてなし」という勘違い
船内では2時間半を過ごすプランです。担当者の方から
「楽しいオプションサービスも用意してありますがいかがでしょうか?」
と提案されました。資料を見るとオプションサービスには
スイカ割り
バルーンリリース(風船を飛ばす)
ジャズ演奏
ベリーダンスショー
手品
マグロ解体ショー
など色々ありました。なんだかそれを見ているだけでワクワクしてきます。そこで私と上司は
「「せっかくだからオプションをたくさん入れておもてなしをしよう!!」」
と考え、予算の200万円をきっちり使い切るつもりで、たくさんオプションを盛り込みました。まずはイベントのオープニングビデオを流して、スピーチを入れて、乾杯の音頭で、ジャズを流して、ベリーダンスショーを入れて…と2時間半の枠を「イベント尽くしのパーティー」が出来上がりました。この時は
「これだけたくさんのイベントを入れ、予算内にしっかり抑えたのでいい仕事をした!オプションをたくさん入れて盛り上げることで、企画する我々のおもてなしの気持ちが伝わるだろう」
と盛大に勘違いしていた事を、この時には気づきませんでした…。
予定通り進行しているのにノッてこない参加者たち
その後、業者とメールや電話でスケジュールをシェアしたり、打ち合わせをして綿密な計画を立てました。私も業務の合間にオープニングビデオを制作し、イベントの準備に余念がありません。勤務先の会社は外国人の社員も多かったので、ベジタリアンやハラルフード(イスラム食)のビュッフェ台を準備をして万全な状態に整えました。
当日、無事に天候も快晴で絶好のクルージングパーティー日和です!170人の社員で桟橋までの大移動、無事に全員船に乗り込むことが出来てここまではすべてが順調。タイムスケジュールも頭に叩き込んでいたので予定通りビデオを流したり、スピーチや乾杯をしてパーティーは始まりました。自信満々に用意したオプションサービスのジャズ演奏、ベリーダンスショー、バルーンリリースなど次々に始まっていきます。
「参加者に楽しんでもらえるだろう。おもてなしの気持ちが伝わるだろう」
と思っていたのですが、私の予想外のことが起きてしまいました。参加者みんなが楽しんで盛り上がっている様子を予想していたのですが、思いっきり空振りです。参加者の目が冷めているじゃないですか。どこかやる気が無いというか、面白くなさそうというか…要所要所で手拍子をしてくれるのですが、みんなイベントには気が向いていません。
「大きなプロジェクトを成功裏に導いてくれた社員の労をねぎらうお祝いの席なのに…なぜなんだ!?」
と会場全体を見渡す私の頭の中は「?マーク」でぐるぐる…。進行に落ち度はなく、すべて計画通りのはずです。ただ唯一、計画通りでなかったのは「参加者がノッてこない」という部分でした。
社内イベント・パーティーの目的は「コミュニケーション」
後日、参加者にパーティーのアンケートを取ったところ、私の嫌な予感は見事に的中しました。結構ボロカスに言われましたね(笑)。
「ずっとショーばかり見せられて疲れた」
「立ちっぱなしで椅子に座りたかった」
「船からの夜景を見る暇がなかったので残念」
「パーティーはコミュニケーションが目的なのでは?イベントで忙しく落ち着いて話が出来ません」
といったもの。ズバリ、詰め込んだオプションサービスを全力でダメ出しされたわけです(笑)。
今ならハッキリ分かるのですが、オプションサービスを入れるにしても1つに留めておくべきでしたね。各々が食事をしながら役職を超えたフラットなコミュニケーションを取れるよう、残りの時間は歓談の時間にするべきでした。「船上パーティー」という非日常空間にしたところまではよかったのですが、海風に当たる時間すら空けていなかったのは完全にミスでした。
パーティーの本質は「コミュニケーション」です。オフィスでは堅苦しい会話になりがちだからこそ、外で食事をすることでリラックスしながらオフィスではできないコミュニケーションを取る!これこそがパーティーの本質なはずです。ただ疲れるだけのイベントにしてしまったことを今では反省しています。オプションサービスを入れるのもあくまでコミュニケーションを円滑にするための燃料として投下するもので、そもそもコミュニケーションを取る時間を入れていなければ燃えようがありませんからね!
私と上司がやらかしてしまった社内イベント、パーティーの失敗経験でした。200万円ものお金をかけ、たくさんの社員をおもてなしするつもりが大失敗してしまった苦い思い出です。
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