富良野メロン事件、日常を取り戻すことが犯人への最大の制裁だ

こんにちは。肥後庵の黒坂です。
以前に書いた

富良野メロンの除草剤事件、犯人は逆効果になることを分かっていない

の記事はアゴラさん、Yahooニュースさんに掲載いただき、ものすごい反響を頂きました。8割が「いい記事でした!」といって頂き、残り2割は批判のメッセージでした。ひとつひとつ、丁寧に読ませて頂きました。ありがとうございます。

さて、この事件について色んな情報を見ているうちに「おや?」と気になる展開がいくつかありました。その中には風評被害を作り出しているものもあり、新たな悲劇が生まれる前にお話をしたいと思いました。

 

怒りで振り上げた拳を落とす先が農協になっています

ネット上には犯人を農協関係者や、農協信者(農協を強く肯定し、崇拝する人たち)という見方があります。そして

「農協関係商品を不買し、寺坂農園さんのメロンを買いましょう!」

など呼びかけが一部の人達の間で起こっています。

なぜ農協というワードが出てくるのか?それは寺坂さんは農協を抜け、努力してメロンの栽培をして成功していることに立脚しています。それにより

「成功を妬んだ農協関係者がこの事件を起こしたのだ!」

という”想像”が独り歩きしています。また、Twitterでは失意の底にある寺坂さんに対して

「農協を抜けた天罰で当然の報い」

などと辛辣なコメントもあったようです。

しかし、これはいけません!
犯行を行ったのは農協関係者などという証拠もなにもありません。ここに来て今度は農協たたきが始まってしまっては、無関係の農協で一生懸命仕事をしている人やその家族はとんだとばっちりを受けることになります。農協不買を訴える人は、自分たちの書き込みを見た人たちが受ける影響力を考慮できていません。というのも過激な農協叩きコメントを見た人が

「そうなんだ。やっぱり農協が悪いのか。じゃあ不買するべきだ!」

と憎しみの連鎖を生み、あらたな被害者が出てしまうだけです。私たちはここで感情の波に流されるのにグッと堪え、憎しみの連鎖を止めること強い気持ちを持つことが必要です。

ただ…その怒りの感情は私にはよく理解できます。人間は怒る方が悲しむよりずっと気持ちが楽でいられるものですから。この事件で湧き上がった怒りをどこかに向けないと辛くて心が沈んでしまいますよね。それ気持ちはそれはよく分かります。

ですが…寺坂農園さんを想うからこそ怒りを農協に向けることはやめましょう。

 

無関係者を犯人にしてしまうプロファイリングはもうやめよう

犯人像のプロファイリングがあちこちでなされています。

私は前回の記事で「犯人はおそらく農業関係者」ということを書きました。犯行は夜から朝5時半までの数時間に行われており、完全に寺坂さんの行動パターンを掌握しています。また、空調を落とすことでハウスが高温になりメロンがダメになってしまうこと、6棟もの広いハウス全体に高価な除草剤をくまなく散布していることを考えると怨恨の念に駆られた犯行であり、犯人は寺坂農園さんの極めて近くにいるということは間違いないでしょう。

でもそれ以上の突っ込んだプロファイリングは、誤った犯人像を作り出してしまいます。ネット上には

「犯人は農協関係者だ」
「内部犯行でなければなし得ない。従業員では?」
「近所のライバル農家?」

といった見解が展開されています。しかし、それをやって真の犯人逮捕と今後の再発防止になるでしょうか?犯人逮捕は警察の仕事であり、私たちがプロファイリングを展開することで何の解決にもなりません。風評被害というものは往々にして、災害や犯罪の被害を見た感情の高ぶりによって作り出されるものです。芸能人の痴話言をあれこれ詮索するように、今回の事件のプロファイリングは関係のない人を犯人像にしてしまって新たに傷つく人が出てしまうだけです。

 

事件を振り返らず、前を向いて歩こう

今回のメロン事件は本当に辛い出来事でした。直接攻撃を受けたわけではない私も寺坂農園さんの気持ちを思うと、胸中に暗雲に漂い、いたたまれなくなります。

しかし考えに考えた結果

「気持ちを切り替えよう」

と思いました。今日からは事件のことは考えないようにして、明るく、楽しい毎日を過ごそうと思います。

そう、これから私たちができることは

「事件を振り返らず、前を向いて歩き出す」

ということなのです。

寺坂農園さんのブログを見ると生き残ったメロンの安全性を伝え、お客さまに喜ばれるために頑張っておられるようです。犯人逮捕と今後の防犯対策については警察や専門家におまかせして、事件前の何もなかった日々を過ごしましょう。時間が経てばいつしか事件は風化するでしょう。一年後、寺坂農園さんのハウスには充実したおいしさをギュッと詰め込んだメロンが収穫され、昨年までのように多くのお客さまに喜ばれる日が来る。また忙しさに追われていつしか事件のことは忘れていく…それこそが私たちが目指すべきゴールだと思います。

「犯人に制裁を!」

と声をあげるなら、みんなでこの事件を忘却の彼方へ追いやってやろうじゃないですか。また事件前の平和な日常を取り戻す、それこそが寺坂農園さんを陥れようと犯行に及んだ犯人への最大の制裁になるでしょうから。


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2 件のコメント

  • 私も秋田のメロン農家でメロンは全て自力で直売していますが、農協関係者が直売農家にこのような犯行をするイメージはわきません。農家は同じ作物を同じ面積栽培しても、栽培技術、経営能力で所得がウン倍違うのはザラでライバル同士ヒガミ会うのはよくあります(私も僻むことはありますし、僻まれることもあります)。しかし、寺坂さんが儲かっているヒガミがあるとしても、ライバル農家が他人の作物にこれほどの量の除草剤をかけるのは、人を殺すぐらいの精神状態(寺坂さんに人としての尊厳を失うほどの仕打ちをされた「←まずないでしょう 」or 本当のキチガイ)でなければ不可能だと思います。本当に誰がこんなことをできるのか不思議に思っています。農家は農協とは是々非々で付き合っているもので農協と敵対関係までいく農家は私はあまりイメージできません。私はメロンは完全直売、長ネギは民間企業との契約栽培ですが、トラック運送は農協系、コメは大半が農協出荷と状況に応じて使い分けています。肥料、農薬、ビニールハウス資材なども安い民間から購入していますが、農協に嫌がらせを受けることはありません。農業に関わっていない方は 農協は旧態依然としたイメージがあって悪にしたてやすいのかもしれませんが、全てがそうではないということも知ってほしいのです。農協も組織格差が大きく、キチンと素晴らしい品質の生産物を供給しているところもあります。私も農協を不満に思うこともあれば、助けられているところもあるのです。
    もちろん今回の犯行が農協関係者であるならば許せるものではありませんが。早く事件が解明されてほしいと願っています。

    • 千葉さま

      コメントありがとうございます。秋田のメロン農家さまからのコメント参考になります。何度もコメント読ませて頂きました。

      おっしゃるとおり、私も農協関係者が犯人という線は薄いと思っています。発見されるリスクを取りながらこれだけのことをするのですから、おそらく個人的な恨み(それも凄まじい怨嗟)からのものでしょう。

      これを東京でやっていたら、散布された農薬の購入履歴などからすぐに捕まっていたでしょう。しかしながら犯行に及んだ場所が北海道なので、情報収集などで時間がかかっているのかもしれません。

      いずれにしても痛ましい事件ですね…。

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