こんにちは!肥後庵の黒坂です。
昔に比べてデコポンの知名度はかなり高まってきたように思えます。「特別果物が好きだというわけではないけど?」という人も昨今の健康ブームの盛り上がりからフルーツへ目を向ける人が増え、フルーツジュースバーや、デコポンを使ったお菓子を扱っているショップもできてきました。その結果、街中でも「デコポンジュース」「デコポンスイーツ」を目にする方も増えてきています。
そんなデコポンはほとんどの人にとって「デコボコしたみかん」くらいな印象を持っているのではありませんか?今回はデコポンを食べたことがない人、その魅力に取り憑かれてもっとよく知りたいと思っている方に有益な内容となっています。
両親のいいとこ取りのデコポン
デコポンは「清見オレンジ」と「ポンカン」といった柑橘を掛け合わせて作られた果物です。
「清見オレンジ」は滴り落ちるようなジューシー果汁、「ポンカン」は濃厚な香り高さと甘さを感じる糖度が特徴です。それぞれの柑橘果物のいいところを取り入れたのがデコポンです!いいとこ取りをして誕生するというのは、まるで人間の赤ちゃんがお父さんとお母さんの長所を持ち合わせて生まれてくるようですね!このあたりは人間も果物も変わることがありません。
見た目にはゴツさがあるデコポン、それは例えるなら体育会系の長身で強面の男子生徒のようです。しかし、みんなに恐れられる男子生徒が時折見せる繊細さに胸キュンをしてしまうように、実はこのデコポンも見た目のゴツさとは裏腹にとてもとても繊細な味わいや香りを漂わせてくれます。表皮は見た目ではゴツゴツして絶対に手でむけなさそうなのに、実際に手にとって「グッ」と押してみると返ってくるのは意外なまでの弾力さ。皮を摘んで引っ張ってみると…お!以外に簡単にむけるぞ!!と驚かれるのではないでしょうか。この表皮の弾力性、お母さんのポンカンから受け継いだ特徴によるものです。うーん、さすがいいとこ取りのデコポンですね!
皮を簡単にむくことができるので、肥後庵でも高齢者むけの贈答目的でお求めになられる方がたくさんおられます。
「デコポン」を名乗る資格
医師を名乗るには医師免許が必要です。それと同じで実はデコポンも「オレは正真正銘のデコポンなんだぜ」と名乗るには資格の取得が必要です。「たかだか果物なのに資格が必要ってどういうこと!?」と思われたのではないですか?でも実際に資格は存在します。
マスクメロンも厳しい基準を満たした静岡県産のものは「クラウンメロン」に名乗るように、デコポンも厳しい基準を満たしたものだけがデコポンと名乗ることができます。デコポンの品種名は元々「不知火(しらぬい)」という名前なのですが、不知火の糖度やクエン酸がJA熊本の基準をクリアした時に「デコポン」と名乗ることができます。熊本県産で取れた不知火のすべてが「デコポン」と名乗ることができるわけではありません。デコポンか、不知火かという違いは単なる名前の違いだけではなく、デコポンとして売られているものは基準を満たしている事が保証されているといるわけです。ちなみにスーパーや通販サイトでみかける「デコみかん」とか「ヒメポン(愛媛県)」などはデコポンとはまた別のものです。
おまけ:登録商標の難しさ
これは余談になりますが…。「デコポン」のような果物の商標って販売者側が努力して守っていかないといけないものなんですよ。実は誰もが知っているあの巨峰、もともとは「石原センテ」という名前のぶどうの品種ですが「巨峰」という名前を登録商標されています(不知火にデコポンと名前をつけて販売するのと同じですね)。しかし、その後巨峰は品種を示す「普通名称」として登録商標の権利を行使することができなくなってしまいました。通称「巨峰事件」と呼ばれています。
デコポンも同じです。デコポンの厳格な基準を満たすものではないのに、デコポンとして売られている業者を放置せずに抗議していく努力が必要なわけです。登録商標は難しいですね…。
いかがでしょうか?デコポンへの理解を深めて頂ければ幸いです。
<参考リンク>
デコポンの栽培法へのこだわり、特徴などの情報が満載です。ぜひご参考下さい。
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