こんにちは!肥後庵の黒坂です。
日本は言うまでもなくギフト大国です。昔から歴史あるお中元やお歳暮などはもちろん、バレンタインデーやハロウィンなど海外のギフトも輸入し、更にはホワイトデーなどオリジナルのギフト文化に昇華させてしまいました。(過去にこんな記事を書いていますので、併せてご覧ください→日本がギフト大国になった理由と、変わってきた価値観)
この辺りを見ていると日本人は贈り物文化に生きていると思うわけです。もちろん、ギフトは日本に限ったものではなく、お隣の中国でも積極的にギフトを贈るといわれています。国は違えど、大切な人に気持ちを伝えるために贈り物をするのは素晴らしい文化ですよね!
しかし、そんな日本のギフト文化に対し、中国人から面白いコメントをもらっています。それはズバリ「日本の贈り物は包装がきれいだが、中身は重視しない」とのこと!うおー!グサっと来ました!うーむ、さすが13億の人口を抱え、4000年の歴史を持つ大国ですね。なかなか本質をついたことをいいます。
参考元:サーチナ「日本人はなぜ贈り物の「包装」を重視するのか、贈り物に見る日中の違い」
記事を詳しく見ると次のようなことが書かれていました。
贈り物に対する日本人の見方について中国人は、「日本の贈り物は包装がきれいだが、中身は重視しない」という印象を抱いてきたという。
うーん、これは日本人の私でもそのように思うことがあります。私が過去に受け取った引出物と引き菓子はまさにそれでしたね!めちゃめちゃきれいにラッピングなのに、肝心の中身は…でしたね。もちろんギフトの良し悪しは金額で語れるものではありませんが、いくらキレイに包装されていても中身が伴わなければ受け取る側はガッカリしてしまいますからね。
果物ギフトの過剰包装って不要じゃない??
私の運営している高級フルーツギフトショップ、肥後庵では簡易包装に務めています。お届けするフルーツは高級品ですが、過剰な包装はしない方針で取り組んでいます。
果物はそのままで美しい~肥後庵がギフトラッピングをしない理由という記事で書いているのですが、昔はデコレーションに挑戦したことがあったんですよね。しかし、そこで分かったことは「色とりどりの果物はそのままで十分美しいからデコレーションをする必要がない」ということです。見た目が元々美しい果物にさらにあれこれと過剰包装をするのは、私からするとやり過ぎかなあと思うわけです。
また社会全体でエコ問題に取り組む昨今、過剰包装は環境保護の流れに逆行することになります。ギフトを受け取る側は大量の包装のゴミを出してしまいますし、販売者側も手間や包装の経費が余分にかかるので商品価格をあげるか、原価を下げるしかありません。肥後庵はギフトラッピングをしない代わりに、浮いた経費や人件費を商品原価に還元し、より美しくてより品質の高い果物を仕入れることに回す、というポリシーで取り組んでいます。
何より、包装が過剰で肝心の中身が普通、そのギャップにがっかりするのは受け取る側ですからね!ギフトは喜ばれることが目的なので、やっぱり大事なのは中身の品質です!それはきれいな包装以上に重要度の高いことだと私は思いますね!ギフトは「品質>見かけ」と活字にしてみると超当たり前のことなのですが、ギフト選びをするとこの当たり前のことが意外と出来ていないわけです。
日本のギフトに疑問を投げかける中国人
更に記事の中にはこんな話が続いていきます。
一時流行した笑い話では、日本人から美しく包装されたプレゼントをもらったが、包装を1枚開くと、また包装してあり、10枚開いてやっと出てきた美しい木箱のなかには、爪楊枝が1本入っていただけで非常に失望したという話がある。これは誇張された作り話ではあるものの、中国人が日本の贈り物文化に対するイメージを表しているという。
あなたはこれを見てどう思いましたか?
「クソー!日本人をバカにして!!彼らには和を尊び、繊細な心遣いが理解できんのか??」
「さすがにやり過ぎ!こんなのはありえないよ!…ってよく見たら作り話と書いてるか」
と思われたでしょうか?でも私はこれは決して作り話だと思えないんですよね。
箱に入っていたのが爪楊枝1本、とありますがこれを他のものに置き換えればいくらでも見たことがあります。特に和菓子はその典型!届いたダンボールを空けると化粧箱が出てきて、それを空けるとビニール袋に包まれていて、その中は和紙が乗せてあって、空けると1袋ずつ和紙で包んだおまんじゅうが入っている…みたいな和菓子を結構見かけませんか?一番外の箱に当たるダンボールの大きさからすると、入っているまんじゅうはかなり小さいなと感じました。食べ終えて机の上に残ったのは大量の和紙とビニール袋、それに化粧箱とダンボールですからね。
…うーん、これでは中国人にコメントをもらっても仕方がない部分はあると思うなあ。
きれいな包装が悪いのではなく、問題は中身が伴わないこと
…とここまではいい記事だったのですが、後半は私にはよく分かりませんでした。
日本の贈り物が中国と異なるのは純粋な感謝の表れであり、「順序」が逆である点だ。日本では先に世話になり、その後にお礼として贈り物を贈るという順が一般的だろう。記事は、感謝を物で表すという考え方のため、贈り手は感謝であふれているとし、「これは日本人がなぜ贈り物の包装を重視しているかの答えだろう」と分析している。
とありますが、「感謝しているから包装をきちんとする」って思いますかね??これまでギフトビジネスでたくさんのお客様とやり取りをしてきて思うのですが、日本人が包装にこだわる理由は「自己表現」だと思います。
当店では有名人や大企業のお中元やお祝いのギフトにご利用頂いています。彼らが求めるものは「贈り先様から”いいものを贈ってくれた”と思われたい」というものです。勘違いしないでくださいね。これは決して自分をよく思われたいという「自分本位」から来る考えや、お返しなどの見返りを期待したものではありません。そうではなくて贈り先様から「こんなに良いものを贈ってくれるなんて、自分は大切に扱われている」という感覚を持ってもらおうという、相手を大切に想う気持ちを伝えたいという考えからくるものです。
きらびやかなパッケージデザインで相手の感情を動かし、一気に気持ちを高める効果があります。日本人が包装にこだわる理由は、ギフトパッケージも中身を装飾する一部と考えているからでしょう。まあもちろんそれ自体は何もおかしなことはありません。大事なのは中身がその包装に負けない品質になっているか?ということです。包装はきらびやかで、中身が大したことなければ相手が中国人でなく日本人でも内心では(見掛け倒しでガッカリ…)と思われてしまいますよ!今回は中国人が誰もが思っていた本音を、しっかりと声に出して表現してくれたものでしょう。
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