こんにちは!肥後庵の黒坂です。
中国・台湾・香港のニュースを取り扱うメディア、レコードチャイナの記事に「日本人はなぜ高価な果物を買うのか?」という疑問が投げかけられました。
高級フルーツを販売する立場にある私にとって関係の深い話です。日本人が桐箱に入っている高価なマスクメロンを見ても
「うーん、マスクメロンってやっぱり高いなあ」
と2秒くらい思ってスタスタその場から立ち去ってしまうと思うのですが、外国人から見ると
「!?!?!?なんじゃこりゃあ!!高すぎだろ!?!?どうなってんの!?」
と立ち止まって思わずパシャパシャ激写してしまうわけです。レコードチャイナの記事もそんな日本人と果物についての関係に興味を持ったことから来ているのでしょう。今回はレコードチャイナの記事を引用しながらお話をしてみたいと思います!
参考元:レコードチャイナ「日本に存在する“ぜいたく果物”文化、日本人はなぜ、高価な果物を買うの?」
2玉300万円のメロン
レコードチャイナの記事によると、日本人にとっては「贅沢品としての果物」というものが存在する事について取り上げています。記事によるとこんな事が書いてあります。
昨年、北海道のメロンが2玉300万円で落札されたことに触れ、「アジア文化、特に日本社会において果物は特別な扱いを受けている」と語る識者のコメントを伝える。「果物は飲食の重要な構成要素であるだけでなく、ぜいたく品として日本の贈答文化の中で重要な役割を果たす」というのが同氏の考えだ。
「は!?2玉300万円のメロン??それどういうこと?」
といまこれを読んでいてそう思ったあなたに答えを用意しています。それは「北海道の夕張メロンを高額で競り落とすことにより、広告宣伝効果を狙ったもの」ということです。ですので
「2玉300万円のメロンを仕入れ、大富豪に販売して利益を出してやる!」
と思っているわけではありません。もうお分かりですね?これはメロンを買ったというより、広告にお金を支払ったという意味合いなわけです。中国の方!日本人にとっても2玉300万円のメロンなんて十分非日常であることを理解してくださいね!(って日本語じゃ伝わらないけどさ…)。
日本人にとっての果物は「2種類」存在する
私は日本では果物の使い方をざっくり2分できると思っています。
一つは普通にスーパーに置いてある「一般流通品」、それから当店で取り扱っているような「贈答用フルーツ」です。両者は同じ「果物」でもその意味合いは違っています。言うなれば移動手段としての「一般自動車」と、富の象徴やVIPを載せるための「高級車」みたいなものです(軽自動車とベンツみたいなものですね)。
このようにフルーツを「一般食用」「贈答用」に分けるのは世界的なスタンダードではないため、外国人には驚きを持って迎えられるのでしょう。
また、記事の中では西洋と日本人の間で果物についての考え方の違いについて、このようにいっています!
西洋の人々はリンゴ、オレンジに栄養的な価値があると考えているが、日本人は果物に精神的な側面から向き合っているよう。彼らは仏壇などに定期的に果物を供える。高級な果物は敬意を示す重要なシンボルなのだ
この指摘は実はかなり鋭いもので、実際、多くの日本人が果物に対してこうした意識を持っています。日本人にとっての果物とは、
「健康食材や毎日の食卓に登るべき食材」
というより
「ギフトで相手に気持ちを伝えるもの」
「めったに食べない嗜好品」
といった考えを持っている傾向があります。これは特に若年層ほどその傾向が強く見られると言われています。
※過去記事で詳しくお話をしていますのでご参考までに。
高級フルーツギフトを贈る理由は「特別感」
そして日本人が果物を特別な贈答用に使っていることにも触れています!
日本人は特殊な場面あるいは大切な人に対してプレゼントの特別感を示すために高価な果物を購入する
これを見て私は「中国人は日本人をよく研究しているなあー」と感心させられましたね!まさにその通りで、当店のお客様もご自分で食べられる方は本当に少数派で、ほとんどのお客様は大切な方やビジネスの取引先などに選ばれています。
(ちなみに「果物をギフトで贈る」というのは日本に限ったものではありません。台湾や香港でも贈答用に高品質フルーツを贈るという文化があります)
中国のメディアに取り上げられ、研究対象になっているほど特別なことにように思われますが、私たち日本人にとっては一般流通フルーツと、高級贈答用フルーツを使い分けるというのは極日常的な風景です。大いに胸を張ってこれからもおいしい果物を味わせる幸福を味わいましょう!
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