お中元シーズンもピークを過ぎ、当店肥後庵のお中元注文も落ち着いてきました。
お中元ギフトの注文ですが、ほとんどのお客さまは熨斗に「お中元」とつけられます。熨斗はあるとないとで大きな違いがあり、更に表書きによって受け取る側の印象は全然違う重要なギフトオプションです!
さて、ピークを過ぎた今でもお中元ギフトを頼まれる方はまだおられるわけですが、そうした方の中には
「熨斗には”お中元”ではなく、”お礼”にしてください」
といわれます。なぜお中元と書かずにお礼にするのか?そこにはお中元の意外に深い事情がありました。
熨斗に「お中元」と書くと相手に気を使わせる!?
「熨斗に「お中元」と書かず、「お礼」と書いて贈り物をしたい!」
この方の意図はなんでしょうか?それは
「お中元として贈ると相手に気を使わせてしまうから」
ということです。これってどういうことか分かりますか?お中元・お歳暮という文化は
「継続とお返し」
が前提となっています。贈り物の熨斗に「お中元・お歳暮」と書いてしまうと
「これからお中元(お歳暮)の贈り物のやり取りを開始しましょう!」
という宣言になるわけです。また、一度だけでなく継続が前提ですので、これは定期購読の申し込み完了通知メールみたいなものといえるでしょう。そしてお中元は受け取りっぱなし、という訳にはいきません。相手も
「相手がハムなら、こっちはフルーツだ!」
という具合にお返しをするのが一般的な流れです。ですので、お中元・お歳暮は始めるのは簡単なのですが、みんなやめる時に思い悩むことになります(笑)。
「自分から贈り物を始めたのでやめようといいづらい…」
「いきなり贈り物を止めると、関係が崩れないか心配」
といった具合に”惰性”で続ける事になってしまう人も。今回の事例ではお中元として贈り物をするのを避け、あくまで
「これはお礼の贈り物なので、継続性もお返しもありません」
という意思表示にしたいわけです。うーん、熨斗に書かれる表書きが「お中元」か「お礼」かでこんなに違う結果なのですね…。
お中元・お歳暮に疑問の声?問題は「贈り方」
最近、お中元・お歳暮・年賀状の文化が薄れてきたという声を見かけます。よーく見てみるとそれには
「慣習・風習だけが先行していて、本来の意味が分からなくなっている」
ということのようです。お中元・お歳暮の本来の意味とは
「年に2回のお礼の気持ちを伝え、季節のあいさつをすること」
にあります。要するに
「いつもありがとう!夏(冬)ですが元気に過ごしていますか?」
をギフトを通じて伝えることが目的になっているわけです。でも確かに贈り方に気をつけなければ、儀式的な贈り物に取られてしまい兼ねませんね!家に洗剤や食用油のセットがドーン!と届いてそれに
「おお!この人は感謝の気持も、季節のあいさつをしっかりして頂ける方だ!」
とは思わないでしょう(笑)。本音の部分では
「はぁ…(ため息)、これはお返しをしないとダメね…」
と感じている人も多いのではないでしょうか?でも同じお中元でも喜んで受け取っている人もいます。
当店のお客さまはギフト上手な方がとても多く、お中元にはほとんどの方が一筆箋をつけられます。そこには
「夏でバテていませんか?熊本のスイカを食べて元気になってね!」
「夏休みはいかがお過ごしですか?いつも色々とありがとうございます。珍しい熊本の肥後グリーンメロンを見つけたのでおすそ分けします」
といった口語のメッセージをつけていますね。これって従来のお中元らしくない贈り方に見えますが、受け取った相手からはとても喜んでもらえた!という嬉しい声を毎日のように頂いています。私からするとこれこそが本来の
「季節のあいさつと感謝の気持ち」
なのかなあと思います。そして受け取る側にとってこのようなプレゼントは
「もうお中元なんて面倒くさいし、くだらないからやめようぜ」
とは思わず、嬉しいと感じるのは間違いありません。
お中元・お歳暮に疑問の声があがるのは
「贈り方が良くない」
というのが私の考えです。夏(冬)の風情がない、年中出回っているものを熨斗だけ「お中元」とつけて贈るから気持ちが伝わらないし、受け取ってもお返しが億劫になる。もしかしたら今は「お中元」というキーワードを使わないほうが喜ばれる時代なのかもしれません。
時代も文化も進化していく
時代はどんどん進化していきます。ガラケーからスマホへ、所有からレンタルへ、そして文化も同じです。時代に合わせて進化していかなければいけません。
私はお中元、お歳暮事態が廃れるべき、オールドファッションな文化とは思いません!そうではなく、
「どこの家庭でも使うから喜ばれるだろう」
と、洗剤や食用油を贈る従来の贈り方がいまの時代に合わないのだと思います。
「お中元・お歳暮は気持ちを伝えるものなので、メッセージをしっかりつける!」
「夏・冬という季節感のある贈り物をする!」
「そして時にはお中元・お歳暮の熨斗を使わない!」
といったように、今の時代にあったスマートギフトノウハウを活用するべきですね!
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