果物が嫌いじゃないのに、なぜ果物離れが起こるのか?

こんにちは!肥後庵の黒坂です。
少し古い記事ですが、面白い意識調査の結果を見つけました。

「大好き!」「好き」「どちらかというと好き」の【好き派】は87%、「大嫌い!」「嫌い」「どちらかというと嫌い」の【嫌い派】はわずか2%という結果になりました。果物は、圧倒的に好きな人の方が多いようです。
引用元:@Niftyニュース「果物が好きな人は87% 嫌いな人はわずか2%という結果に」

果物が好きな人は87%で9割に迫ります。それに対して、嫌いだという人はわずか2%。それなのになぜ若者を中心に果物離れが起こっているのでしょうか?

「やっぱり面倒くさいからじゃないか?」
「果物は高い!」
「酸っぱいものは苦手だぜ…」

そんな声が聞こえてきそうですね。今回、フルーツギフトを運営する立場から「好きなのになぜ果物離れは起こるのか?」についてお話したいと思います。

 

自分では買わないけど、もらったら嬉しいフルーツ

「自分で買うことはないけど、もらうとなるとすごく嬉しい」

こういった不思議なものは世の中に存在します。それは「高級品」に該当する場合が多いのではないでしょうか?ハムの詰合せは人気ギフト商品ですが、自分でハムの詰合せを積極的に買う人以上にもらって嬉しいと感じる人の方が多いでしょう。また、私は義理の父に書き味の良い万年筆をプレゼントしたら大変喜ばれ、それ以来何か書く時はその万年筆以外使うことがなくなったという話をしてもらったことがあります。

果物もそれに近いものがあると思うんですよね。特に日本人は「果物=高級品・嗜好品」と考える人が多いと言われます。特に都会に住んでいる人で地方のフルーツを取り寄せてまで食べる人は、全体の中でもかなりの少数派となるでしょう。しかし、自分では買わないまでも、いざ受け取るとなると喜び勇んであっという間に食べてしまう、という話は毎日のようにお客さまから入って来ることです。

このように「フルーツは自分で買うにはハードルが高いもの」という認識は確実に多くの日本人が持っていることだと考えます。ではなぜフルーツを自分で買うのはハードルが高い、と考えてしまうのでしょうか?それには「フルーツはコスパ悪い」と「若者ほど健康より値段や手軽さが重要と考えている」という2つの理由があります。

 

実は高コスパのフルーツ

まず一つ目の「フルーツはコスパ悪い」というのは完全なる誤解です。カロリーベースで考えるとたしかにフルーツはコスパが良くないかもしれません。100円でハンバーガーを食べる方が、2個600円の桃を食べるよりも手軽でお腹も膨れます。「食事=空腹を満たすこと」と考えると、フルーツはファストフードや炭水化物にとうてい及ぶことはありません。しかし、こと健康や栄養を考えるとこの順位は一気に逆転します。ハンバーガーは炭水化物、タンパク質、脂肪、糖分、その他保存料など食品添加物にまみれています。私も秋になると月見バーガーを食べますので、決してハンバーガーを否定はしません。ハンバーガーは間違いなくおいしいと思います。ですが、健康的か?と聞かれること答えはNoです。エネルギーを得る代わりに、損なわれる健康がその支払う代償となります。ですが、フルーツを見てください。果物ほどコスパの高い食材はありません。ビタミンやミネラルは豊富で、火を通さない生食ですから酵素や栄養素も丸ごと摂取できます。また、調理や味付けの手間がなく、0歳児から100歳まで同じものをおいしく食べられます。

おいしい
栄養豊富
手軽に入手できる
お腹も膨れる
調理の手間がいらない

これほどコスパに優れた食材を「果物は高い!」というのはおかしな話だと思うのは私だけでしょうか?安いジャンクフードばかりを食べて体調不良や病気になって、医療費がかさんでしまうことを考えるとインスタントやファストフードのほうが遥かにコスパが悪いと私は考えてしまいます。

 

若者は食事を「値段>手軽さ>健康」と考えている

「健康>価格>利便性」日本人の健康志向の高まりは本物だった!という記事でご紹介したことがありますが、は日本政策金融公庫(略称:日本公庫)農林水産事業が2017年1月に行った意識調査によると、日本人全体で見た場合の食材に求める優先度は「健康>価格>利便性」の順となります。さすが健康志向のイメージがある日本人、イメージを裏切らずその健康志向は本物のようです。

しかし、これはあくまで老若男女問わず、日本人全体で見た場合のデータです。年代を20代の若者に限定すると、順位は「値段>手軽さ>健康」という順番に変わってしまいます。その理由は意識調査にはありませんでしたが、年齢を重ねるに連れて健康を無視できなくなるのは誰もが知っている事実です。それまで頑健さをウリに毎日のように都内のラーメンを食べまくっていた、30代半ばを過ぎた元上司の男性も健康診断で高血圧を突きつけられてからは、ラーメン食べ歩きの頻度は極端に落としたと言います。それが若者となると、多少の暴飲暴食をしたところで自覚する体調不良なんてありません。食べたい時に食べたいものを食べたいだけ食べても、標準体重を維持し、消化不良なんて未経験。「面倒くさくなくて、味付けが濃い安い食事を食べる」という価値観が主流になるのは不思議ではありません。

果物のウリは健康的でおいしいということなのですが、その他の加工食品と比べると値段と手軽さはどうしても後塵を拝する事になります。果物がいくら素晴らしいと私が熱く語ったところで、手軽さと値段は缶詰フルーツには勝てませんからね。

 

「果物は嗜好品」という誤った考え

「目の前に置かれると大好きであっという間に食べてしまうのに、自分では買わない」という立場に果物はあります。この状況を打破するのは食育しかありません。

私の1歳半の息子は果物が大好物です。これまでお菓子を食べさせたことがないので、チョコレートやケーキを見せても見向きもしませんが、大好物のメロンやぶどうをチラと見せると「食べさせろ」と言わんばかりに大騒ぎして口に入れるまで決して落ち着く事はありません。私はこれからも子供にたくさんの旬のフルーツを食べさせて食育をするつもりですので、今後彼が20歳、30歳になっても毎日フルーツを食べ続ける「フルーツ男子」になると思います。そして彼にとっては「フルーツは毎日食べるもので、嗜好品ではない」という考えがしっかりと根付くことでしょう。

果物を嗜好品と考えているのは、世界でも日本と一部のアジア諸国だけです。アメリカやヨーロッパ人で健康意識の高い人は本当に毎日のようにフルーツを食べています。次のグラフを見てもらうと分かるのですが、日本は世界のどの地域の平均より果物を食べていないことが分かります。

画像引用元:くだもの200グラム 一人一日あたりの果物の消費量(2011年)

「食べるとおいしくて大好き」ということであれば、解決方法は食習慣化しかありません!まずはフルーツの持つ素晴らしい健康効果をしっかりと理解し、毎日食べるような食習慣を構築するようにしましょう!


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ABOUTこの記事をかいた人

高級果物ギフト「 水菓子 肥後庵」代表

フルーツギフト・贈り物の高級果物専門店「肥後庵」の通販サイトを創業。日々のビジネスの中で培ったギフトノウハウやマナー、心遣いなどを発信しています!一般常識やしきたりにとらわれない「本当に心から喜ばれるギフト」の真理に挑戦しています!

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