こんにちは!肥後庵の黒坂です。
米国で最も権威のある経済紙と言われるフォーブスに「フィンテックがギフトの世界を変える」という記事が掲載されていました。タイトルを見た瞬間、ギフトビジネスを運営し、最新テクノロジーにも興味津々の私には思わず「おおっ!マジか!!」と声が出てしまいましたね!
「フィンテック??最近よく聞くけどいまいちよく分からん…。解説サイトもなんだか難しくて」というあなたに分かるように簡単に紹介しましょう!!
参考:フィンテックが変える「贈り物」の概念 ギフトはモノの枠を超える
誰が読んでも1分で分かるフィンテック解説!
フィンテック、というのは「金融(Finance)+技術(Technology)」をくっつけたアメリカで生まれた造語です。これが何の役に立っているか?について誰が読んでも分かるお話で説明をさせてください。
例えばあなたがお小遣いを管理するために家計簿をつけているとしましょう。これまでは
「5/1 お菓子108円(カチカチ)、5/3 ジュース150円(カチカチ)…」
という具合にレシートやメモをチコチコ入力して家計簿を作る必要がありました。
ところがフィンテックの導入により、クレジットカードや電子マネー決済のデータを元に自動的に(ここ重要!)家計簿を作り上げてくれることを可能にしました!
これまで:自分で入力・計算をして家計簿を作る
これから:カード決済をするだけで勝手に会計簿が出来上がる
超簡単にいえばこんな感じです。
個人の世界では家計簿のレベルですが、これは法人でも同じ話で、銀行の入出金明細やカード明細をみながら、人が自分で会計仕訳を会計ソフトに打たなければいけませんでした。
「これって会議費?接待交際費?どっちだっけ?」
「あれ?合計金額の帳尻が合わない…」
といった計算ミスや判断が求められる部分が丸ごとITに処理をしてもらえるようになったわけです。
オンラインだけで完結するギフトサービス
そんなフィンテックがギフトの世界に入ってきた!というのはどういうことでしょうか??
これまでのギフトは実物を相手に渡すのが当たり前でした。そのため、中には受け取る相手が「本当は別のギフトが良かったな…」と贈り物を気に入らないということがあったわけです。でも心を込めた贈り物ですから「気に入らないから、他のものと交換して」なんて事はできませんよね?
今回の記事によるとアメリカ人が一年間に「望まれない贈り物に費やす金額はなんと年間95億ドル(約1兆円)」とあります。望まれない贈り物の総額をどう計算したのかは激しく謎ですが、日本のアニメ産業が1兆5,000億円と言われているので、その不要なギフトの金額規模はどうやらとてつもないもののようです。
オンラインギフトサービスの米ジフィティ(Jifiti)社は、そんな望まれないギフトのあり方をフィンテックで解決できる、と次のように語っています。
電子版の商品カタログとギフトカードの発行を組み合わせることで、実現が可能だ。受け取る側がいつどこで、どのようにギフトを受け取るか、あるいは何を受け取るかまで、選ぶことができる
これはどういうことか意味が分かりにくいと思うので解説を。
ジフィティ社の提供するギフトサービスはオンラインだけで完結する
「電子カタログギフト」
「ギフトカード」
です。これは従来の紙のカタログギフトやギフト券ではできなかったサービスなんですよ。
私は過去に結婚内祝いにカタログギフトを受け取ったことが何度もありましたが、正直その中には全然欲しいものがなかったんですよね!カタログギフトによってはいくら商品アイテム数が多くても、最初から最後までページを見て「欲しいものが一つもない…」ということがあったわけです。同じく、レストランの食事券を頂いたことがありましたが、そのレストランは近所に一店舗もないため、ギフト券を活用出来ないということもありました。「カタログギフトとギフト券」、贈り物に困った時の万能選手のように思われがちですが、やはり使いづらい場面はあったわけです。
ところがジフィティの提供するのはオンラインサービス、これにより「カタログギフトに欲しいものがなければ、ギフト券で受け取る」という事を可能にしてしまいました。また、ギフト券もレストランの食事券ではなく、Amazonのギフト券やコーヒーショップのギフトカードで受け取る、ということが出来るわけです。これは今までのリアルの贈り物には決してできない芸当です。ネットだからこそ…フィンテックだからこそのなせる技です!ジフィティ以外にもウエディング・ギフトのゾラ(Zola)、小売各社のオンラインギフトのマーコール(Marcole)などもそれに続きます。アメリカはフィンテックを活用したギフトサービスが活発に行われていますね!
フィンテックでも解決できないのは「サプライズ」
これを聞くとギフト業者は顔が青ざめると思うんですよね。「おいおい自分たちのギフトビジネス大丈夫かよ!?」てな感じに。でも私は問題ないと思っています。なぜなら今回ご紹介したフィンテックを活用したギフトと、実物ギフト(私が運営している肥後庵みたいな)とはお互いに棲み分けすると思っているからです。記事の中にはこんなことが書いています。
何かを贈るということにおいて、大切なのは確かに気持ちだ。だが、それでも出費が伴うものであり、実質的には金銭的価値のやり取りだ。例えばギフトカードなら、現金と同じようにモノやサービスの購入に使うことができる。
この一文は確かに正しいことを言っています。相手を祝う気持ちは贈り物の品質や金額に現れる部分は大きいでしょう。しかし、ギフトには絶対に欠かせない喜ばれる要素があります。それは「サプライズ」です。フィンテックのギフトサービスは自分で好きなものを選ぶことが出来ても、ギフトは自分が知っているもの、関心があるものからしか選ぶことはないので、そこにサプライズはありません。これはギフトというより、相手に商品を奢ってもらったのことと同じです。
肥後庵のお客様から毎日のように「高級フルーツは初めて食べたけど、こんなに甘くておいしいスイカを食べたのは初めて!と贈り先様に喜んでもらえました」といった喜びのお声を頂いています。そのお声を聞く度に「サプライズという要素は、人が贈り物で気持ちを伝え合う限り変わることはない」と思っています。
フィンテックを活用したギフトサービスで、既存のリアルギフトが駆逐されてしまうようなことはないと思っています。お互いに棲み分けをして、よりよいギフトの選択肢のひとつになると私は考えています。
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